趣旨
前期(主としてズナニエッキ、ギュルヴィッチ、シュッツの検討)から引き続き、ガーフィンケルのエスノメソドロジーとアメリカ社会学の形成・確立・変容において同時代的に寄与したと思われる1930-40年代の諸業績を検討しつつ、EMCAの理論的・基礎的テーマを考察していきます。今期は,前者としてはKenneth Burke、後者としては象徴的行為(言葉を使用する行為)の理論に焦点をあてたいと思っています。Burkeの著作としては、Permanence and Change (1935)を主に検討します。この著作では、部族的忠誠、職業的認知能力、認知スタイルなどの概念が利用されており、Garfinkel 地位降下儀礼論文(1956)に利用されている(スケープゴート装置の考察)ほか、当時は未発表だったSeeing Sociologically 1948への影響も考えられます。Farber の2つの抜粋は、Husserl 論理学研究の第2巻の一部の解説・紹介です。Kuhn (1943)もSeeing Sociologically に引用されているもの。Znaniecki (1936) の「招待と誘導」はかれの社会的行為の具体的類型別分析の最初のもの。行為の具体的類型学は、ガーフィンケルを通じて、EMCAの先行ランナーとしての重要な意味があると考えられます。ただし、それら—ズナニエッキやバーク—は、基本的な社会的動機/本能の類型学の思想を残しているという点で、過渡的な性格をもつでしょう。1930年〜40年にかけてのEMの発展は、Parsons の行為理論からの離反と、Znaniecki の行為理論/現象学/バークの象徴学との親和という特徴があると思われます。最後の2つの教材は、現代のEMCA/現象学的研究における象徴的行為の分析例としてとりあげます。
その他の学説史的背景としては、つぎの年表をを参考にしてください。
https://sites.google.com/site/shirokashimura/Home/formative-works-of-ethnomethodology
今学期の開講日は、木曜日3限(13:30-15:00)、開講場所は、神戸大学六甲台キャンパスフロンティア館405号室となっています。この時間割どおりに行う予定です。ただし出席予定者の強いご希望があれば、時間調整の努力をします。なお10月17日は海外出張のため休講します。
その他の学説史的背景としては、つぎの年表をを参考にしてください。
https://sites.google.com/site/shirokashimura/Home/formative-works-of-ethnomethodology
今学期の開講日は、木曜日3限(13:30-15:00)、開講場所は、神戸大学六甲台キャンパスフロンティア館405号室となっています。この時間割どおりに行う予定です。ただし出席予定者の強いご希望があれば、時間調整の努力をします。なお10月17日は海外出張のため休講します。