本研究でZnaniecki は、文化を、それを支える社会的集合体とともにとらえ、tribal, folk, religious, national の4種に分類し、国民主義(nationalism)を、national culture を軸にしてとらえます。 物質的文化と思念的文化の双方を、社会的行為のパターンと組み合わせてとらえ、また、歴史的に有意義な文化は、文字をもつ文化である必要があるという前提から、国民文化 (national culture)は、世俗的著述 (secular literature )を基礎とする文化として把握されます。第1章までは、一般的理論ですが、本書全体では、第2章以下、具体的諸文化やその社会組織的構成要素—著述家、芸術家、音楽家、科学者、経営者などの社会的役割、および文化的指導者、大学、芸術団体、政治団体その他の国民的文化推進のための社会組織—、さらに、大衆の文化的組織化と知識人、国民的文化間の競争や対立などが議論されていきます。
諸文化(cultures)と諸国民(Nationalities)は、本書では、ポーランドの国民文化の歴史を参照しながら、重く定義され使用される用語です。
文化を共通著述を基礎にしてとらえる視点について、Popper の3世界論との類似性を指摘する論文もあります。社会学の課題は、この共通文化を生み出し、維持し、発展させる、諸役割(roles もZnaniecki が使用する場合、かれの体系の中での独特の意味があります)、諸組織、諸規範の分析を行うことです。こうした点には、なお理論的新規性と価値があるように思います。
諸文化(cultures)と諸国民(Nationalities)は、本書では、ポーランドの国民文化の歴史を参照しながら、重く定義され使用される用語です。
文化を共通著述を基礎にしてとらえる視点について、Popper の3世界論との類似性を指摘する論文もあります。社会学の課題は、この共通文化を生み出し、維持し、発展させる、諸役割(roles もZnaniecki が使用する場合、かれの体系の中での独特の意味があります)、諸組織、諸規範の分析を行うことです。こうした点には、なお理論的新規性と価値があるように思います。